願い

金刀比羅さん

父が倒れる直前に登った山がすぐ近くに有る。 遊歩道のある小さな山。 駐車場からは正味15分位かな。 神社の有る方とキャンプ場の2つの山が並んでる。 急に足が立たなくなってしばらく立ち上がれず 驚いたって話していたのを思い出す。 運動不足かと気に留め…

柔らかく まあるく

祝福してくれた周りの人を悲しませ 心配掛けた事で いつの間にか私は、 「今後 私は幸せになってはならない。」って 頑なに思っていた。 その思いが周りの関係や心を 更に軋んだものにしていたのも 自覚が無かった。 「まずは自分を満たす」 よく聞く言葉だ…

最終手段

父が倒れて2ヶ月が経つ。 もっと長い時間が過ぎているように感じる。 まだ 意識ははっきり戻らないが 時々ふと目が合ったり、穏やかな表情が増えて来た。 仕事帰りに短い時間でも会いに行く。 実家に近いリハビリ病院に変わったので 母の体力的負担も減りほ…

きっかけ

重なる時は重なる物で。 父が倒れた日、ちょうど息子は仕事が休みで すぐに病院に来たが、次の日 調子がおかしい。 念の為、調べたらインフルエンザになっていた。 娘は祖母が1人で不安で眠れないだろうと 手術の日の夜から実家に居た。 来週は娘の高校受験…

1月の。( その2 )

倒れた父が搬送された病院に向かう。 救急待合の横を通り処置室へ。 意識が混濁し 時折頭を触る仕草をするが 呼びかけには応えない。 開いた目にいつもの父は居なかった。 後悔、悲しみ、恐怖・・・負の感情ばかり押寄せる。 暫く経った頃、今後について説明が…

感謝。

神棚2つ、阿弥陀様、お地蔵様、毘沙門様、玄関には福助さんと言う賑やかな 家に育った。 お地蔵様は幼ない子供を二人失くした祖母が置いたと聞いた。 物心つく前から炊き立てご飯、お水、お茶。 頂いた物などはまずお供えする。 そしてお線香の煙に挨拶を乗…

美味しいお茶を。

お茶屋さんに入って 5ヶ月。 茶葉の知識も増え、お客様に 「渋い、甘い、濃い」など好みを聞いて淹れる事も多くなった。 感想を、聞きながら次の参考にする。 「美味しかった」と言われると素直に嬉しい。 しかし お茶業界、今 厳しい状況らしい。 お茶の値…

嬉しい くたくた

仕事が終わってバスを待っていた。 三歳くらいの男の子と一歳前の女の子を連れた夫婦がバス停にやって来た。 お祭りに行くんだろうな。微笑ましく見てた。 男の子は元気いっぱい。家族でお祭り。 久しぶりのバス。ワクワクするのは仕方ない。 スキップしなが…

私。

幼い頃から、 「優しいね」 「将来良いお母さんになる」と言われていた。 通知表にも「陰日向がありません。」 素敵な言葉。 でも何十年も何処かに違和感が有った。 結婚、育児に躓いた時、これらの言葉がずっと グルグル回っている事に気づいた。 優しくな…

伝え聴き ①

お婆ちゃんは大分の日出に産まれた。 『花は霧島 軒の井じゃ おヨネ』と呼ばれる程の 綺麗なお母さんが居たらしい。 兄妹は三人。お兄さんと妹。 お兄さんは今の東京芸大の教授。 三島由紀夫の仲人さんで、 割腹事件の時は お婆ちゃんを見舞いに来ていてテレ…

届かない 手紙

お婆ちゃんに、おつかいを頼まれて 度々、近くの文具屋さんに出掛けていた。 買うのはいつも『便箋、封筒、ボールペン』 お婆ちゃんは倒れた後遺症で 小さなはっきりしない言葉になってしまったが、 いつしかそれをハッキリ理解出来る様になっていた。 おつ…