おばさんからの手紙

手紙が届いた。

懐かしい文字。

便箋三枚にビッシリと、溢れる気持ちが綴ってある。差出人は高松で知り合ったおばさん。

 

娘が幼稚園に入った頃、散歩中のワンちゃんに

触らせて貰ったのがご縁。

夕方のお散歩時間に合わせて

娘は外で遊びながら待つようになった。

 

ワンちゃんはチャウチャウと柴のミックスで

名前は「ルー」

フワフワおっきくて舌が紫で。

力も強くおばさんは、お散歩も一苦労。

娘を見掛けたら一直線に走り出す。

 

ルーと娘は驚く程仲良しになり

娘が居ないと来るまで動かなかったり

、娘にしか披露しない芸を身につけたり。

娘の香りがするハンドタオルを飲み込んで

出て来る数日おばさんが心配した事も。

 

幼稚園の友達よりルーやおばさん達に

会う事を楽しみにしていて丁寧語で電話を掛け

家に行く約束を取り付ける娘。

いつの間に丁寧語を!とビックリしてしまった。

 

お家には、おじさんとおばさんがいて。ルー。

いっぱい遊んで2人とお話して帰って来る。

娘家族は横浜に居る為、孫みたいに可愛がって下さった。

 

あったかいやり取りはそれからも続いて私もお世話になったがやはり娘とルー一家の絆は何ものにも変え難い強固なものになっていた。

 

小学校に入学するちょっと前に

急に九州に帰る事になり お別れする事に。

九州に帰った理由はリストラ。

周りを振り返る余裕無く働く日々が始まり。

ルーに会わせる事も出来ずに1年近く経った頃

ルーが天国に行ったと聞いた。

娘が居なくなって毎日毎日待ってたと聞いて、

2人で泣いた。

 

結局小学校の間、高松に行く余力は無く

卒業を機に2人で夜行バスでおばさん達に

会いに行った。

もう既に80歳を超えてらした為

会う時間を短くしてホテルも取った。

訪ねると2人は本当に喜んで一緒に撮った写真や

思い出話、沢山のお土産を用意して

待ってくださってた。

しかも2階に私達 2人のお布団も準備して。

でも、ホテルも取っていたし泊まらなかったの。

お別れをした後2階の窓から見えなくなるまで見送ってくれたらしい。

私は おばさんの想いに気付けなかったんだ。

 

その後もおばさんは私達が泊まらなかったのを

ずっとずっと悔やんでいたの。

 

娘が 中学に入ってから時々掛ける電話で

おばさんが繰り返しが多くなった事に気付く。

でも娘との事は鮮明で有難い。

その会話の中でおじさんが亡くなった事を知る。

娘は身近な死にショックを受け、おばさんに連絡する事を止めてしまった。

おばさんに何かあったら

耐えられ無いと。

それから娘もしばらくやんちゃして

落ち着いた頃やっぱり気になって

電話した。

始め、力ないおばさんの声を聞いてドキっとしたが娘の名前を言うと急に声に張りが出て

「忘れた事は無い!」と。

不義理を詫びた。

 

また、繋がった中の手紙。

娘の事をいつも思ってる事、ルーの事、おじさんが亡くなった事、デイサービスに行ってる事、今度は泊まって欲しい事、1人は寂しい事・・・。

繰り返し繰り返し書いてある。

嬉しさと申し訳なさで涙が止まらない。

最後に電話番号が2回。

これからまた

ちょくちょく掛けますね。

血の繋がり以上を教えてくれた 大切な人。

1日も早く 会いに行かないと。

そして今度は泊まってずっとお喋りするの。

f:id:yukopin601:20180822023148j:imageルー笑ってる。