事件を呼ぶ女 その後。

さて。ポッカリと予定が空いた。

 

ちょっと考える。

父の看護を少しでも長くする為に

時短の仕事に移ったはずだった。

慣れるまで何でもやってみよう!とか

思っちゃうから 何でもやってみて

気が付けば片道1時間半以上掛けて

隣街まで仕事に行き 帰り着いたら

夜10時過ぎ・・・なんてザラになってた。

 

「あ、これ お知らせだったか。」

本来の目的から それ始めた事による

軌道修正・・・・・・なんてね。

今までの分も取り戻すべく病院に通う。

 

これだけ時間が有る事が

10年近く無かった。

リストラ、離婚などでずっと

追い立てられて走り続けて。

かといって 立ち止まる勇気も無く。

この機会に開き直ってみるか。

たっぷり病院通って

たっぷり眠った。

眠りが浅い事にも慣れ切っていたものな。

 

そんな生活をしばらく続けた頃、

バイトに誘われた。

週末の ピアノバーの裏方。夜の繁華街。

今までだったら きっと無理だって思って来た事。

チャレンジする事にした。

制服は 黒タートルに白シャツ、

パンツにギャルソンエプロンと言う

ボーイッシュな出で立ち。

私をマジマジと眺めてママが笑い出す。

「 なんか変だと思ったら

エプロン上過ぎよ!バカボンみたいになってる!

腰で履かないと! 」

完全にラーメン、食堂仕様。しまった・・・・・・。

 

裏方と聞いて居たのに表にも引っ張り出される。

「新入りさん!?いくつ?」

バツイチ子持ち。半世紀生きてる。」

ママが答える。うん。確かにその通りだけど・・・。

夢売らなくて良いの?!

飾らなくて潔い。

 

生き延びる算段はついた。

 

ラーメン店のマスターはその後

他の心配箇所も見つかり

入院が延びた。

この際オーバーホールして下さいね。

これはきっと良かったんだよな。

 

「 事件を呼ぶ女 」は

実のところちょっと

凹んでいた。

父、母、マスター・・・

私と関わると

みんな体調・・・・・・

考え掛けて かき消した。

「  きっと良かった・・・ 」心で 繰り返す。

 

父の病院、週末の繁華街をしばらく続けた頃

マスターから連絡が入る。

12月29日に退院。

その日から仕込みに入って

年末年始お店を開けると言う。

「 体力的にも不安が残るから手伝って欲しい 」

お見舞いがてら二つ返事。

「嫁」だった頃の年末年始は

勿論こちらに居ることも無く。

この時期に働くなんて面白いな。

 

30日。 再会の握手をし、無事を喜ぶ。

改めてラーメン修行お願いします。

同じ様にしたつもりでもなかなか上手く行かない。

何故この動きなのか聞いてみる。

理由を聞いてやっと合点が行った。

あとは数をこなす。

余程の常連さん以外は

大体作った。段々と大盛り、カタ麺など

織り交ぜて3杯位までは同時で作れるようになった。

大忙しの年末年始。

 

何故かラーメン作っている自分・・・

夜の繁華街で働く自分。

今まで知らずに掛けていた制限を

思わずいくつも外す事になった2018年が終わった。

洗ったラーメン丼を見たら龍さんも笑ってる。

何もかもお見通しみたいに。

ずっとそこに居たんだね。
f:id:yukopin601:20190318015741j:image